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日 付 分 類 内 容
2019.06.24
つぶやき
【心からご紹介したい1冊『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』】 【本店】
きっかけがなければ、ほとんどの人が手にとらない本かもしれません。でもこの本を埋もれさせたくありません。たくさんの人に届けたいです。
登場人物は、イギリスで暮らす著者のブレイディみかこさんと、アイルランド人のパートナーとその息子さん。小学校で生徒会長をしていたような「いい子」の息子さんが、荒れていたことで有名な元・底辺中学校に通い始めたところ、様々な壁にぶつかっていく・・・その様子を書いたエッセイです。舞台はイギリス、扱われているテーマは人種やジェンダー・貧富の格差などです。
この本を読んで、世界の見え方が変わりました。「世界」というのは遠い国のことではなくて、自分の目の前にある「日常」のことです。読み終わってまわりを見渡せば、世界に虹がかかっているように見えるほど、すごく清々しくて幸せで、前向きな気持ちになれました。一人の人の中にもいろんな色があるし、世界の中にもいろんな色がある。それってまるで虹のようで、それってすごく美しい。
読書というのは、読んだ人だけの、その人個人の体験だと思っていました。でも、この本はきっと、読んだ人の心から、読んでいない人の心にも届くかもしれない1冊です。世界に、日常に、たくさんの虹がかかれば幸せだと思いながら、この本を届けます。ぜひ手に取って読んでみてください。

本店 樋口

『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』ブレイディみかこ著、新潮社、9784103526810
2019.06.14 つぶやき
【おすすめの本】『あっちがわ』 【本店】
きのうと おなじ かえりみち、
しらないばしょに でてしまう。
きのうと おなじ おともだち、
どうして しらないこがいるの。
きのうと おなじ ぼくのかお、
なんだか ちがう きがするよ。
(冒頭より引用)

 こんな書き出しから始まる、ちょっと不思議で、とっても怖い絵本です。
 見開き一ページで一話が書かれていて、全部で15のおはなしが載っています。
 話も絵も全部怖い!!ゾクゾク、ぞわぞわ、じっとり、ヒヤッ・・・いろんな種類の怖さがたくさん詰まっています。怖いけれど、目が離せなくて、ドキドキしながらページをめくってしまいます。この絵本の世界に引き込まれれば引き込まれるほど、「あっちがわ」と「こっちがわ」の境界がだんだんわからなくなってきて・・・。
 個人的に特におすすめなのは、「みどりのしょうぼうしゃ」と「おえかき」。どんどんどんどん想像がふくらんで、私の想像の中では、とてつもなく怖いことになってしまいました。
 そして、最後の15話目「リフト」で恐怖のどん底に突き落とされたと思ったら、その次のページに待っているのは、救いなのか、さらなる恐怖なのか・・・。最後のページはもしかすると、読む人の想像力によって見え方が違うのかもしれません。ぜひ手にとって確かめてみてください。
 そしてもう一つ、この絵本の怖いのが、「思い出し笑い」ならぬ「思い出し怖い」があることです。なんだか、ふと思い出して、ゾクゾクッと怖くなるのです。怖くて、でも、ちょっと懐かしいような気持ちになりました。子どもの頃、怖い本を読んだときとか、怖い想像をしてしまったときに、背中がぞわぞわしてきて、壁に背中をくっつけながら本を読んでいた、あの頃の気持ちがよみがえりました。そういえば子どもの頃、私もこの絵本のような想像をしていた気がします。無限の想像力を秘めた子どもさんにひとりで読ませるのは危険かもしれません。一緒に読んであげてくださいね。そして案外、一緒に読んだ大人のほうが怖がってしまうのかもしれません。想像力はこの絵本をどこまでも怖い絵本にします。あぁ怖い・・・けれど、おすすめです。

『あっちがわ』作・絵イシズマサシ 岩崎書店 9784265081622

本店 樋口