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歴史新刊「西郷隆盛と勝海舟」

2017/11/12 8:02:

「西郷隆盛と勝海舟」 安藤優一郎著 洋泉社新書 978480031355

西郷隆盛と勝海舟の出会いは、蛤御門の変以後、西郷が第一次長州征伐の参謀に選任された頃である。
幕臣でありながら雄藩連合を支持する海舟との出会いが、西郷を大きく変える。

公武合体から雄藩連合、さらには尊王討幕へと藩を欺いてでも導いていく。
東征軍にあっては、長州らの恨みを抑え、江戸城無血開城を成し遂げた。

幕臣勝、討幕軍西郷、立場の違いを乗り越え、日本国を西洋列国の魔の手から救うために奔走した二人。二人は対極にありながらも、最大の理解者であり続けたのでした。

歴史新刊「ハプスブルグ帝国」

2017/08/29 19:31

「ハプスブルグ帝国」 岩ア周一著 講談社現代新書 978406288442

ハプスブルグという名の国はなかったが、ハプスブルグ家はヨーロッパでもっとも著名な王家の一つである。
16世紀、カール5世の時代には、神聖ローマ帝国皇帝としてオーストリア・ドイツを傘下に入れるだけでなくイタリア、スペイン、ネーデルランド(オランダ・ベルギー)、さらには新大陸、フィリピンまで支配し、「太陽の沈まない国」と呼ばれた。

そのハプスブルク家の起源は、12世紀フランス・ドイツ・スイス三国が境を接するライン川上流の豪族に過ぎなかった。
本著は、ハプスブルク家の由来から、次第に勢力を拡大し大帝国を築き、また衰退していくまでの1000年の物語である。

歴史新刊「歴史の坂道」

2017/08/17 20:24

「歴史の坂道」中村彰彦著 中公新書ラクレ 978412150591

歴史作家、中村彰彦氏のエッセイ集です。
歴史の面白さは、華々しい合戦だけではない。歴史書や歴史小説には書かれていない裏話・余話を知ることは、歴史を表面的にとらえるだけに止まらず、そこに生きた人々をより深く知ることにも繋がっている。

中村氏のエッセイ集は、氏が小説・史論を書くために、史料を調査・発掘した過程で生まれた副産物のようなもので、内容は多肢にわたり非常に興味深いものです。

一例を挙げると、滝廉太郎の「荒城の月」の舞台は、会津の鶴ヶ城だった。
その他、全54編のエッセイ集。お楽しみください。

歴史新刊「観応の擾乱」

2017/08/04 5:44:

「観応の擾乱」 亀田俊和著 中公新書 978412102443

将軍、足利尊氏と弟直義の幕府開設初期の対立を発端にした内乱。
一口に言えば、尊氏・幕府執事高師直と直義・直冬(尊氏の子でありながら認められず直義の養子となる)の権力争いであるが、結末までには二転三転することに。

当初、師直追い落としを計る直義がまず一勝、巻き返しを図った師直が隙をついて逆転するも、尊氏の優柔不断で直義派を一掃できず、南朝方と手を結んだ直義と直冬による巻き返しにあい師直は殺されてしまう。

尊氏が弟に敗れたとも言えるのだが、尊氏はその後も将軍として健在で、乱の裏側や尊氏と直義の関係はおもしろい。

歴史新刊「江戸始図でわかった江戸城の真実」

2017/06/15 21:11

「江戸始図でわかった江戸城の真実」 千田嘉博、森岡知範著 宝島社新書978480027129

徳川家康が築城した江戸城は、いくたびもの改築や焼失によって、その本当の姿は、はっきりしていなかった。
しかし、2017年松江市が発表した「江戸始図」によって、その姿がより鮮明に浮かび上がってきた。「江戸始図」とは、家康築城当時の江戸城の絵図であり、江戸城が権威の象徴と言うだけでなく、強力な要塞機能を備えていたことがわかった。

最新の研究を元に、江戸城と江戸の都市の歴史について解説した本書。
城郭ファンだけに止まらず、歴史好きにはたまらない1冊です。

歴史新刊「岳飛伝」

2016/11/23 19:34

「岳飛伝」一巻 三霊の章 北方謙三著 集英社文庫978408745511

武人の誇り、人としての信義…。
それぞれの生と死に決着をつける、人生の物語。
岳飛の剣を吹き飛ばした若い男は、「子供か」と言った。これが楊令との屈辱的な出会いだった――南宋の宰相・秦檜の元で軍閥になった岳飛。金国との戦い方をめぐって、秦檜と対立を深め、絶体絶命の危機に陥るが、ある者たちが動き……。一方、梁山泊を離れ、南方に新天地「小梁山」を切り拓いた者たちは、甘蔗を栽培し、生活を営み始める。老いてなお強烈な個性を発揮する旧世代と力強く時代を創る新世代。いくつもの人生が交錯する最新シリーズ。

歴史新刊「戦国北条記」

2016/11/23 19:33

「戦国北条記」伊東潤著 PHP文芸文庫978456976642

北条五代を「合戦」と「外交」を軸に読み解くことで、関東における戦国百年の実相が見えてくる! 伊勢盛時(のちの北条早雲)による伊豆平定から、小田原で豊臣秀吉に屈するまでの興亡の歴史を、最新の研究成果を盛り込みドラマチックに描く。従来の北条氏のイメージを一新させる戦国ファン必読のノンフィクション。

 『実録 戦国北条記』を改題

歴史新刊「天子蒙塵」

2016/11/13 17:12

「天子蒙塵」一巻 浅田次郎著 講談社 978406220194

1924年、クーデターにより紫禁城を追われた溥儀とその家族。生家に逃げ込むもさらなる危険が迫り、皇帝は極秘に脱出する。

ラストエンペラーの立場を利用しようとさまざまな思惑が渦巻くなか、日本の庇護下におかれ北京から天津へ。
王朝再興を夢見る溥儀。イギリス亡命を望む正妃・婉容。そして側妃・文繍は「自由」を選んだ。
史上初めて中華皇帝と離婚した文繍。その裏にはいかなるドラマがあったのか…。
累計500万部突破の国民的大ベストセラー「蒼穹の昴」シリーズ第5部スタート。

序章は、満州軍閥張作霖の息子、張学良が故国を追われヨーロッパへ旅立つ船中から始まる。
二人の天子はこの後、塵をかぶって逃げ惑う。

歴史新刊「天地雷動」

2016/11/13 8:56:

「天地雷動」伊東潤著 角川文庫 978404104939

戦国最強を謳われた武田軍団も、信玄の死により激震を迎えていた。
勝頼と信玄家臣団との確執。父信玄の果たせなかった夢を自分が叶えるためにも、家臣団を統率するためにも勝頼は勝たねばならなかった。

そんな武田家内紛を見透かした信長は、空前の戦法で武田軍を粉砕しようと秀吉に3000丁の鉄砲調達を命ずる。

一方の家康は、この機に三方が原の汚名を払拭し、生き残りを図るため虎視眈々と武田領を浸食する。

男たちの思いは、やがて長篠の地に集結し、一大決戦を引き起こす。
戦国の大転換点「長篠の戦い」を、息も付かせぬ臨場感で描ききる。

歴史新刊「武士の職分」

2016/11/03 19:13

「武士の職分 江戸役人物語」上田秀人著 角川文庫 978404102623


「奥右筆秘帳」「闕所物奉行 裏帳合」「表御番医師診療禄」など、私たちに馴染みの薄い役職を取り上げて数々の作品を著している上田秀人氏。

本著は、世襲を旨とする幕府が唯一実力主義を徹底した「表御番医師」、大名・旗本が敵に回すことを最も恐れた「奥右筆」、大名・旗本いや最高権力者老中であろうと告発できた「目付」、将軍の身の回りの世話役ながら、人も羨む出世も出来た「小納戸」の四役を取り上げています。

役職の日常を紹介しながら、役人たちの闘いと身につまされる宮仕えの日々を、新たな筆致で描く渾身の描き下ろしです。